「長生百薬(ちょうせいひゃくやく)」という名の健康ワカメ

長寿だけではなく、痩せ薬の効果も期待される

 南米原産で主に中国の雲南省や台湾などに分布しているアカザカズラ(学名:Boussingaulti gracilis Miers var.)という島野菜があります。

 長寿の薬草として日本に伝わり、沖縄名は「オカワカメ」、「長生百薬(ちょうせいひゃくやく)」、「雲南百薬(うんなんひゃくやく)」とも呼ばれています。長生きする百薬とは、とても健康に良さそうな名前です。沖縄では、「オカワカメ」が通称のようです。

 写真のようにハート型の葉をしており、切ると粘りが出てきます。

長生百薬(オカワカメ)の葉

「百薬」という呼称の根拠

 台湾では新鮮な葉を野菜として利用し、あるいは低血糖薬、抗炎症性鎮痛薬、胃薬といった民間薬として頻繁に使用するいう記述があります(1)。中国では糖尿病、炎症、肝疾患の治療のための漢方薬として使用されています。

 また、韓国の論文によると、高脂肪食で肥満にしたラットに長生百薬の抽出物を食べさせると、体重増加、血清および肝臓脂質レベルを大幅に低下させたとの結果があります(2)。長生百薬の抽出物には、脂肪分解および脂質生成に関与する遺伝子の発現を調節することにより、抗肥満および脂質低下作用を示す可能性が示唆され、肥満体質 ⇒ 瘦せやすい体質に変える力があるようです。

長生百薬の食べ方

 シンプルに軽く湯通ししてから、みそ汁に入れて食べました。粘り成分と共にシャキッとした食感も美味しいです。

湯通しして

みそ汁に入れた長生百薬

塩分の分析

 オカワカメという異名があるように食べると塩分が効いています。どれくらいの塩分濃度があるのか分析してみました。

 アズワンというメーカーの塩分計にミキサー粉砕した長生百薬をセットしたところ、0.68%という結果でした。人間が認知できる塩分濃度は0.2%以上と報告されているので、十分な塩味を感じられる濃度であることが分かります。

 一度に食べる長生百薬は数枚~5枚程度であり、食塩として0.01gくらいの摂取量に相当するので、血圧が高めの方にも問題ない量かと思います。

長生百薬の塩分の分析(塩分計)

まとめ

 「長生百薬(ちょうせいひゃくやく)」という名のオカワカメは、台湾や中国では民間薬・漢方に利用されていて、韓国の論文では抗肥満作用が報告されています。

 粘り成分と適度な塩味、シャキッとした食感が楽しめる長寿の島野菜です。

 苗を購入したので、次回は挿し木増殖にチャレンジしたいと思います。

増える- サプリメント- 「長生百薬(ちょうせいひゃくやく)」の栽培

(1) Kan WS: Pharmaceutical Botany. National Research Institute of Chinese Medicine, Taipei, 1986.

(2) Wang L, Bang CY, Choung SY: Anti-obesity and hypolipidemic effects of Boussingaultia gracilis Miers var. pseudobaselloides Bailey in obese rats. J Med Food 14:17–25(2011).

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