島唐辛子をコーヒーロースターで焙煎してみた

焙煎香の強い島唐辛子パウダー(黒一味)を試作

 最近、用事で京都に行くことが増えました。京都駅のお土産屋さんに並んでいる唐辛子パウダーは種類が多彩で興味を引きますね。辛い品種の一味唐辛子パウダーや、柚子等で風味付けした七味唐辛子が並んでいて、行く度に買ってしまいます。

 一味唐辛子の加工法で特徴を出しているのが、「焙煎」という工程です。コーヒーの生豆をローストするように唐辛子を焙煎することによって、辛さを和らげ、香りとコクが増すことが出来るようです。購入した焙煎唐辛子(黒一味)を炒め物や煮物の仕上げにひと振りすると、独特の香ばしさが際立って食欲をそそります。

コーヒーロースターの性能確認
 コーヒーの焙煎に、浅煎りや深煎りがあるように、唐辛子の焙煎にも加熱の強弱により出来てくるパウダーの品質が違います
 コーヒーロースターを入手したので、この機器で沖縄県の「島唐辛子」を焙煎してみようと思い立ちました。先ずは、普通にコーヒーの生豆を焙煎できるかを確認してみました。コーヒーロースターですから、焙煎できて当然だと思いますが、一応、性能確認です。

オーガニックコーヒーの生豆(30g)をコーヒーロースターにセット

深煎りモードで焙煎スタート、焙煎から冷却まで20分で完了する

フライパンでの焙煎と違って、均一に深煎り焙煎が出来ました。このロースターは生豆を撹拌しながら全自動で焙煎してくれるので、とても便利です。

焙煎香が強く、挽きたての深煎りオーガニックコーヒーはかなり美味しかったです。

焙煎島唐辛子の試作
 では、続いて「沖縄県産の島唐辛子」をロースターで焙煎してみます。原料は乾燥した島唐辛子(未粉砕品)を用いました。ロースターに島唐辛子(30g)をセットし、中煎りモードで20分間焙煎しました。

ロースターに乾燥島唐辛子(30g)をセット

 焙煎中は、唐辛子の辛味が水分と一緒に空気中に出てきて、目が痛くなるのでベランダで焙煎しました。20分後、ベランダに出てみると島唐辛子は見事に黒一味に焙煎されていました。原料30gから重量27gの焙煎物が得られました(水分が飛んで、一割減となる)。

 焙煎後は黒光りするなんとも言えない外観でしたが、香りをかいでみると、それほど辛味の刺激はなく、思ったよりもマイルドな辛味に仕上がっているようです。

焙煎された島唐辛子(黒一味)

 ミルで粉砕した焙煎島唐辛子パウダー(黒一味)をガラス瓶に詰めてみました。肝心の味がどうなったか確認したところ、強い焙煎香が漂ってきて香ばしいパウダーに仕上がっていました。マイルドな辛味を感じることが出来るので、立派な一味唐辛子と言えます。


 しかし、焦げた後味が若干、尾を引きます。焙煎の程度が強かったようで焦げた苦味が生成していました。焙煎は、焦げが出ない程度の浅煎り~中煎りがベストだと思いました。。

粉砕後の焙煎島唐辛子パウダー(黒一味)

強い焙煎香と苦味が特徴

そこで、浅煎り~中煎りとなるように焙煎時間を8分に短縮してみました。

その結果、焙煎香が強く、焦げ由来の苦味が少ない香ばしい島唐辛子パウダーが出来ました。

浅煎りした島唐辛子パウダー

苦味が少なく、焙煎香が楽しめます

 その後、更にスモーク装置を購入したので、リンゴのチップで燻製にしてみました。燻煙でスモークした焙煎島唐辛子は、とても香ばしく「辛味+香り」を併せ持つ独特の島唐辛子に変身しました。辛味が強くなったように感じられ、島唐辛子の良さが引き立ちました。

 どんな料理にマッチするのか、いろいろ試してみたいと思います。

第4次激辛ブームで唐辛子が注目されている

「うまから」「粗挽き」など様々な島- 唐辛子- パウダーの商品開発が盛ん

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