栄養機能食品としての野菜

ブロッコリーでサプリ並みのビタミン・ミネラルが摂れる

 錠剤などのサプリメントでビタミン・ミネラルを摂取する方は多いと思いますが、中にはケミカルな食品よりも野菜のような天然由来成分を好むヒトもいます。

ビタミン・ミネラルの強調表示

 例えば下表のように、ほうれんそう、こまつな、しゅんぎくなどの葉物野菜やブロッコリーには「たっぷり」と強調表示できるビタミン・ミネラルが含まれています。生のしゅんぎくを実測して基準値を上回っていれば、「ビタミンAたっぷり」、「葉酸リッチ」などの訴求をして販売できることになります。

生鮮でも栄養機能食品が認められた

 栄養機能食品とは、個別の許可申請等を行う必要がない自己認証制度です。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分の量が決められた下限値・上限値の範囲内にある必要があります。

 2015年4月より、サプリメントのような加工食品だけではなく、野菜のような生鮮食品でも栄養機能食品として表示や訴求が可能になりました。

ブロッコリーの栄養と機能性

 ブロッコリーは葉物以外では数少ない緑黄色野菜で、ビタミン・ミネラルが豊富です。下表によると、栄養機能食品として表示できる可能性が高い栄養素は、ビタミンE、葉酸、ビタミンCであり、ビタミンEの場合は「抗酸化」、葉酸では「赤血球の形成」、ビタミンCでは「皮膚の健康維持」などが期待できます。このような機能が期待できるブロッコリーの摂取量は1日あたり22g~56gであり、大きめの房であれば1~3房に相当します。ブロッコリーは栄養価が極めて高い緑黄色野菜と言えます。

ブロッコリー3房でビタミンEの「抗酸化」、葉酸の「赤血球の形成」、ビタミンCの「皮膚の健康維持」が期待できる。サプリメント並みの栄養機能食品にもなり得る。

調理方法の違いによるブロッコリーの栄養成分の変化

 日本食品標準成分表2020年版(八訂)に興味深いデータが掲載されていたので、ご紹介します。ブロッコリーを調理する方法には、ゆでたり炒めたりしますが、ゆでると葉酸やビタミンCは半減してしまいます。これに対して焼いたり油で炒めたりするとビタミンE、葉酸、ビタミンCは減少せず、むしろ重量あたりの含量が生のブロッコリーに比べて増加します(水分が減少するので相対的に増える分もあると思います)

 ブロッコリーの栄養価を維持して食べられる調理方法は、ゆでるのではなく、焼いたり油で炒めることをお勧めします。

まとめ

 2015年4月より、サプリメントのような加工食品だけではなく、野菜のような生鮮でも栄養機能食品として表示や訴求が可能になりました。ビタミン・ミネラルが豊富な野菜として緑黄色野菜が挙げられますが、特にブロッコリーの栄養価は極めて高く、ビタミンE・葉酸・ビタミンCがサプリメント並みに摂取できます。ブロッコリー3房でビタミンEの「抗酸化」、葉酸の「赤血球の形成」、ビタミンCの「皮膚の健康維持」が期待できる量に達するため、まさに栄養機能食品の生鮮サプリメントと言えます。調理方法は、ゆでると栄養素が減少するので、成分が減らない焼き・油炒めの方法をお勧めします。

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