遺伝子組換え表示を免除される加工食品
遺伝子組換え大豆やとうもろこし等を加工食品の原材料に使用しても、「遺伝子組換え」表示をしなくて良い食品があることをご存じでしょうか?
遺伝子組換え農産物
遺伝子組換えとは、遺伝子の一部を切り取って、配列を変えてからもとの生物に戻したり、また、種の壁を越えて他の生物の遺伝子を組み入れたりする技術です。
例えば、害虫を殺すタンパク質の遺伝子を組み込むと、害虫に強い作物をつくることが出来ます。
現在、食品としての安全性審査をパスした遺伝子組換え農産物は、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、なたね、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤの8作物です。
遺伝子組換えされた8作物と、それらを原材料とする加工食品について、遺伝子組換えの表示義務があります。
ところが、遺伝子組換え作物を加工食品に使用したにも関わらず、表示しなくても良いルールがあるのです!
遺伝子組換え表示が免除されるケース
例えば、遺伝子組換え大豆で造った「しょうゆ」は、遺伝子組換えの表示が義務化されていません。
大豆が発酵工程を経ることによって遺伝子組換えDNAから生じたタンパク質が分解され、最新の技術でもそのタンパク質が検出できないというのが理由のようです。
因みにタンパク質が検出できる豆腐や納豆には遺伝子組換えの表示が必要です。
下表に遺伝子組換え農産物を使った加工食品の中で、遺伝子組換え表示が不要な食品の例をまとめました。
表示しなくても良いというポイントは、組換えDNAから生じたタンパク質が除去・分解されていることです。
遺伝子組換えされた綿実から抽出した綿実油では、タンパク質が混入していないという理由で遺伝子組換え表示が不要です。
また、水飴や異性化液糖などの糖質において、遺伝子組換えとうもろこしが由来原料でも、タンパク質が除去されているという理由で、遺伝子組換え表示が不要になります。
したがって、この表にある加工食品の原材料表示欄に「遺伝子組換えでない」という表示が見当たらない場合、遺伝子組換え農産物を原料にしている可能性があります。
例えば、清涼飲料水に配合されている異性化液糖は、原材料表示欄に 「遺伝子組換えでない」という表示が無く、多くの場合、遺伝子組換えのとうもろこし由来と考えられます。
国内で販売されるしょうゆの原料大豆は、「遺伝子組換えでない」と任意表示されている
消費者へのイメージを考慮して、分別管理されている「遺伝子組換えでない」大豆を使っているしょうゆには、任意で「大豆(遺伝子組換えでない)」と表示するメーカーが多いです。
加工食品を買う側からすれば、「遺伝子組換えでない」と表示されていると安心します。
一方でメーカーの立場からすると、大豆の自給率が低い国内で、「遺伝子組換えでない」大豆を調達するのはたいへんな事だと思います。
選択する際、遺伝子組換え表示はあった方が良いです
遺伝子組換え農産物は安全性が審議されたものですが、加工食品を購入する際の基準として、原材料表示欄に遺伝子組換え表示は記載されている方がありがたいです。
まとめ
遺伝子組換え作物を使用した加工食品では、「遺伝子組換え」表示が義務化されていない食品群があります。
例えば、遺伝子組換え大豆で造った「しょうゆ」、遺伝子組換えのなたねから搾った菜種油、遺伝子組換えとうもろこしから造った水飴などは、遺伝子組換えDNAから生じたタンパク質が分解あるいは除去され、最新の技術でもそのタンパク質が検出できないというのが理由で遺伝子組換え表示が免除されています。
消費者へのイメージを考慮して、分別管理されている「遺伝子組換えでない」大豆を使っているしょうゆには、任意で「大豆(遺伝子組換えでない)」と表示するメーカーが多いです。
参考資料:食品表示基準Q&A
平成27年3月(最終改正令和2年3月27日消食表第90号)
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