アロエベラの葉肉は食品だが、「葉の液汁」は医薬品
アロエは熱帯アフリカ原産のユリ科の多肉植物で、キダチアロエ、ケープアロエ、ソコトラアロエ、アロエベラ(キュラソーアロエ)など170種ほどが知られています。
昔から医薬品や民間療法に使われてきました。日本薬局方には、ケープアロエ(南アフリカ産)が収載されており、濃縮された下剤成分を含んでいます。いわゆる「局法アロエ」と呼ばれ、主に 便秘解消 の薬として利用されます。
国内における加工食品で利用されるのは、キダチアロエとアロエベラです。今回はアロエベラに限定したお話です。
アロエベラは食品? それとも医薬品?
大手乳業メーカーのヨーグルトに入っているアロエはアロエベラであり、商品の原材料表示欄には「アロエベラ(葉内部位使用)」と記載されています。“葉内部位使用”とは、葉肉の透明部分です。葉肉に限定しているということは、それ以外の部位は食品に使ってはいけないってことでしょうか?
そうなんです。
緑色の葉の部分は医薬品に分類されているのです。厚生労働省が掲載している「医薬品リスト」には、アロエベラの葉肉は食品扱いになっていますが、「葉の液汁」は医薬品に分類されています。
葉の液汁が医薬品である理由
アロエベラの葉が医薬品になっているということは、何らかの薬効成分が入っているのだろうと期待して調べてみました。
アロエベラを購入して、カットしてみると葉の裏側から黄色い液体が出てきました。この成分がアロイン(バルバロイン)という下剤成分です。
アロインは医薬品成分に指定されているため、葉の液汁は食品には使用できないのです。
一方、葉肉(透明部分)にはアロインはほとんど含まれていません。
アロエベラの下剤成分:
黄色い液体にアロイン(バルバロイン)が含まれる
アロエベラの葉肉(透明部分)を食べてみた
2日間便秘が続いており、下剤成分アロインを摂取して解消しようと思いましたが、効きすぎると怖かったので、今回は葉肉の部分だけを食べることにしました。
下剤成分アロインが混入しないように葉肉の部分を丁寧にカットしました。文献上、下剤成分アロインは苦いことが分かっていたので、混入しないように注意しました。
食べた結果、葉肉の味は無味・無臭でした。アロインの混入は避けられました!
アロエベラの葉肉
(下剤成分アロインを含まない)
アロエベラ葉肉(2切れ)を食べて2時間にお通じがありました
ところが、下剤成分アロインは取り除いたはずでしたが、葉肉(大)2切れを食べた2時間後にお通じがありました。結果的に便秘が解消して良かったのですが…
どうやら、アロエベラには葉肉の部位に多糖類という食物繊維が豊富にあり、腸の運動が活発になったことが分かりました。
アロエベラには、葉と葉肉の両方に効く成分が入っているのですね。
まとめ
アロエベラは、葉の部分に下剤の医薬品成分であるアロイン(バルバロイン)が含まれるために医薬品に分類されています。一方、アロインが含まれない葉肉(透明部分)は食品として摂取することが可能です。
しかしながら、下剤成分アロインが入っていない葉肉(大)を2切れ食べた後に便秘解消しました※ 理由は、便秘を解消する多糖類(食物繊維)が葉肉に含有していると推測します。
アロエベラには、葉と葉肉の両方に便秘に効く成分が入っていることが分かりました。
※個人の感想です。
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