シークワーサージュース(クエン酸)で、痛風を改善できるか?

シークワーサージュースは、クエン酸がとっても多い!

「痛風並びに高尿酸血症における酸性尿の改善」に効果があるウラリットUという治療薬があります。魚卵などプリン体を多く含む食品を食べ続けると、尿酸の濃度が高くなり、足の親指がとっても痛くなる、あの痛風の症状になります。

尿酸は酸性で溶けにくい性質を持つため、おしっこが酸性になると排泄されにくくなります(酸性尿)。この酸性尿を改善するために、クエン酸を有効成分とするウラリットUが使われています。

実は、ウラリットUに含まれるクエン酸は、レモンや梅干しなどに含まれる酸味成分であるクエン酸と同じ化学構造なのです。クエン酸は摂取後,肝臓で速やかに代謝され,重炭酸イオンを生成し,腎尿細管からの排泄に伴い,尿のアルカリ化に作用すると考えられています。

つまり、クエン酸には、酸性尿をアルカリに傾けて、溶けにくい尿酸を排泄しやすくする効果が期待できます。

シークワーサージュースは、クエン酸がとっても多い!

クエン酸を美味しく、しかもたくさん摂取できる食材は、やはり柑橘類になります。そして、柑橘類の中でも未熟果のシークワーサーはクエン酸含量がダントツです。シークワーサーのクエン酸には疲労回復効果も期待できます。

未熟果のシークワーサーは、他の柑橘類や梅干しよりもクエン酸がダントツに多い(出典※)

計算してみました

ここで、ふっと疑問が湧いてきました。

ウラリットUの1日用量のクエン酸は、シークワーサージュースに換算して何グラムになるのか?

ウラリットU配合散の医薬品インタビューフォームを参考に計算してみました。

ウラリットU配合散の1日用量(3g)に含まれるクエン酸の量は、2277.5mgになります。

一方、シークワーサージュースでは、季節的な変動があるため、時期によってクエン酸含量が変わってきます。あるメーカーで公表している未熟果シークワーサーのジュースでは、100gあたり4650mgのクエン酸を含有しているため、2277.5mgのクエン酸を含有するシークワーサージュースは48.98gと計算されました。

すなわち、ウラリットU配合散の1日用量=シークワーサージュース48.98g=48cc(比重換算)になります。

ウラリットU配合散の1日用量に匹敵するシークワーサージュース48cc

コップ1/3杯に相当する

48ccのシークワーサージュースであれば、炭酸で割ったり、ドレッシングとして野菜にかけたりすれば、実際に摂取可能な量だと思います。酸味は強いですが、工夫すれば美味しく飲める量です。

以上より、「痛風並びに高尿酸血症における酸性尿の改善」効果をもつクエン酸は、シークワーサージュース48ccで摂取でき、摂取可能量のシークワーサージュースで痛風の要因である尿酸の排泄を促すことが期待できると考えられます。

※出典

●レモンジュース、ライムジュース、オレンジジュースは濃縮還元ではないストレート果汁のデータ:

Kristina L. et al. Quantitative Assessment of Citric Acid in Lemon Juice, Lime Juice, and Commercially-Available Fruit Juice Products.  J Endourol 2008; 22(3): 567–570.

●梅干し(塩漬)、いちご(生)、パイナップル(生)のデータ:日本食品標準成分表 2015年(七訂)

●シークワーサージュースのデータ:農林水産省Webサイト(特集2 香酸かんきつ(1))https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1701/spe2_01.html

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