新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖を抑制する可能性も
ウリ科の中で、ゴーヤーとならんで沖縄の代表的な食材のナーベラー(へちま)。味噌や島豆腐と一緒に調理したナーベラーチャンプルは、暑い夏に欠かせない料理です。ナーベラーのトロトロした部分とシャキッとした食感が独特で美味しいです。
味噌と相性の良いナーベラーチャンプル
ナーベラーには、カリウムなどのミネラルが含まれますが、ウリ科の野菜の中では葉酸の含量がトップクラスです。葉酸が不足すると、貧血や神経障害が起こることが知られています。また、胎児の神経管形成期である受胎前後から妊娠初期までの間に摂取すると、胎児の神経管閉鎖障害のリスクが低減されることが報告されています。サプリメントではなく、ナーベラーのような野菜から葉酸を美味しく摂取することが出来るのではないでしょうか。
ウリ科の中でナーベラー(へちま)の葉酸含量はトップクラス
日本食品標準成分表2020年度版(八訂)、果実(生)のデータを掲載
ところで、ナーベラーから分離したサポニンという成分に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の増殖を抑制する可能性が2021年に韓国の研究で報告されました※ ナーベラー由来のサポニンは、ウイルスが複製する際に働くプロテアーゼを阻害することが分子ドッキング法という手法で明らかになっています。ナーベラーには、まだまだ未知の健康成分が潜んでいるようです。今後の研究が待たれます。
※Cao TQ et al.: Bioorg. Med. Chem. Lett. 40 (2021) 127972
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